かわいいだけじゃいきていけない!

箒でさっと掃かれて消えてなくならないように

おおきくなるっていうことは


『おおきくなるっていうことは』という絵本が好きです。
もちろん絵本ですからそこにかかれていることはちいさな子どもが実感できるような内容ばかりなんです。身体が大きくなるから服が小さくなる、乳歯が抜けて永久歯に生え変わる、何でもかんでも口に入れたりしない――良し悪しの区別がつく・・・そういうのは大人になればなるほど、『なんだ、そんなあたりまえのこと』なんて笑ってしまいたくなるような普通のことばかり。でも、この本の素敵なところはそれだけじゃ終わらないってところ。これからの生き方を教えてくれるような・・・大人になっても心に響く・・・年齢を重ねていくうえで変わらずに大切にしたいと思えるようなことも、きちんと載っているんです。

全文紹介したいところだけれど、今回は、特別に好きな一節を紹介します。

『おおきくなるっていうことは おもしろいことが どんどん みつけられるってこと』

一度この世に生を受けたら自分を取巻く世界の面積は膨張し続けていく。コミュニティは広がり、たくさんの人と触れ合い、多くの事象を体験する。でもそれは決して特別なことではなく、意識するに足らない当たり前のこと。
だけどそうやって世界が広がってくってことは、選択肢が増えるってこと、たくさんの楽しみを見出せるってこと、だと思うんです。それをとっても分かり易くしたのが『おもしろいことがどんどんみつけられるってこと』って一文だと、わたしは解釈していて。
それが、ある一定の時期を過ぎて、いわゆる『おとな』とよばれるような歳になってくると、こういうことってつい見失いがちになってしまう。面白さよりも義務とか責任とかそういうものにばっかりに気をとられて、大半のことは面倒臭いながらも惰性で続けるような事態に陥りがちなんです。もちろんわたしも、面白いことってなかなか見つけられない、『つまらないおとな』のうちのひとりなんですけど。

それでもこういう一節に触れると、なにも感じないわけじゃない。自分自身を正すのは、歳を重ねれば重ねるほどに難しくなって、だから代わりに、前途洋洋の若者たちに身勝手な期待に満ちた思いを抱くことが多くなってくるわけです・・・と、なんでこんな話をするのかっていうとですね、まぁ、優太くんの話ですよ。

この一年で優太くんって結構変わったなぁ・・・って思うんですよね。うまくはいえないんだけれど、余計な柵から開放されて、身軽になったというか・・・自分を開け広げに曝け出すことが多くなったと、思うんです。
たとえば雑誌のインタビュー、『少し前の優太くんならこういうことはあまり明確な発言をしなかったなぁ・・・』ということをさらっと話していたりする・・・そしてその要因って単純に『18歳になった』から、ではなく、高校を卒業したから――『学生ではなく社会人になった』から、のような気が、個人的にはしていて。
ジャニーズジュニアの活動とは切り離した、もっと現実的な世界で、優太くんはひとつおおきなステージに足を踏み入れたわけです。学生のうちは学生ゆえに制限されるものが、社会人になると己の責任で全うできる・・・なんてことは間々あって、思うに、その緩和が優太くんを生きやすくしたのかな・・・と。
本人もことあるごとに『自分は大人だ』ってことを強調してるんですけど、大人になることをすごく楽しんでいるのが伝わってくるなぁ・・・って、思うんです。
そういった意味でこの一年間は優太くんにとって初めてのことばかりだった気がする。面白いこと、楽しいことをあれよあれよと見つけて、楽しんで、与えられた自由を思い切り満喫したことでしょう。
さて、じゃあ二年目はどうだろう。一年目は『若さ』や『勢い』で乗り越えられたり許されていたことが、とたんに通用しなくなる。大人の世界は甘くはなくて、その厳しさに直面するときがくるかもしれない。そういうことが現実に起こったときに『なんだ、つまらない』そんなふうにがっかりして欲しくないなぁ、と、思うわけです。
優太くんぐらいの年頃は大人になりきれない、でも子どもでもいられない・・・そういう特別な期間だと思うんです。特に男の子は精神的な成長が著しいのかも。そういう過渡期の年齢を、出来ることなら悔いの残らないように過ごして欲しくて。別に穏やかでなくたっていいんです、波風はいっぱいたったほうがいい、歓びも苦しみも、もうこれ以上はいらないって、手に余るくらいに経験して、よく生きて欲しい。そしてまたひとつおおきくなってほしい。
ジャニーズジュニアなんて付加価値が付いてると、普通の生活をしているだけでは経験し得ないことが山ほどあるでしょう、でも、その一方で『普通らしいこと』は出来なくなってしまうのかもしれない。それをつまらないなんて思って欲しくない。


おおきくなるっていうことは おもしろいことが どんどん みつけられるってこと。


無数に用意されている未来に胸をときめかせて、どんなに小さくてもいいからその歩みを止めないで欲しい。楽しいこと、面白いこと、たくさん見つけて、輝いていて欲しい。
またひとつおおきくなった、あなたの新しい一年が明るく輝くものでありますように。
19歳、お誕生日、おめでとう。