かわいいだけじゃいきていけない!

箒でさっと掃かれて消えてなくならないように

閃光、夜明け、リング

まるでワルツを踊っているようだ、と、思うことがある。

くるりくるり、輪を描いて。たくさんたくさんステップを踏んで先に進んだような気がしていたのに、最後には結局最初の立ち位置に戻っているような。

 

去年の夏、期間限定ユニットの一員になって、テレビ局の夏祭りイベントのメインサポーターに任命されて、その夏の終わりには期間限定という但し書きは取り外されたはずだった。けれどそのユニットでの活動は、秋以降はほとんどないに等しく、気づいたときには6人は3対3で分裂、ユニット名はとてもシンプルになっていた。

競い合っていた仲間の3人は冬の風物詩となった舞台への出演や単独写真集の発売が決まり、そしてこの夏も昨年に引き続き夏祭りイベントのメインサポーターになった。名実ともに今のジャニーズジュニアを牽引するトップユニットとして活動しているのだろう。対して我らがユニットの3人といえば、冬には大した活動もなく、春になって先輩グループのバックとしてツアーに帯同したり、夏の公演は単独でなく別ユニットと抱き合わせの公演でしかなかったり・・・該当担なら『あぁ・・・一歩先を行かれてしまったんだな・・・』と悔しさを抱いた夜が一度くらいはあるのではないだろうか。

もちろん、寂しいことばかりではなかった。深夜とはいえ冠番組が決まったこと、オリジナル曲をもらえたこと・・・これは、王様の冠を与えられた彼らには叶えられていないもので、それはとても名誉なことで素直に喜ばしいことなのに、一方では『どうして?』と考えても考えても答えの出ない疑問を消し去ることはできなくて、悶々とした気持ちを抱えて。 

こういうの、抱かずにオタクをしたいんだけどなぁ…って常々思っていて、だけど、全然できていない。それだけかける思いが強い…で、納得できない、自分の場合。

でも、がんじがらめにならずにすんだのは、個人の仕事が多かったからかもしれない。ユニットよりも個人に没頭していけるから助かった・・・なんて、不純かもしれないが。

 

一介のオタクがこんな気持ちになるんだから、本人はどれだけのことを思うのだろうか。

 

はたち。成人して初めての一年は激動の一年だったに違いない。その中で、不安を抱くことも多かっただろう、普段から懇意にしてもらっている先輩相手とはいえ、紙面上で相談するくらいには。

優太くんはバカではない。『おバカキャラ』なだけで、バカではない。能天気な人間ではない。頭で考えている『いろいろ』を『求められていない』から『表に出さない』のだろう。それは前々から思っていることで、年々ひどくなっている…と、感じる。

不満はない、彼自身も納得してその立場にあるのだろうし。キャラ立ちしているし、愛されるキャラクターだから、ありがたいと思うことの方が多い。

本心を億尾にも出さないスタンスの人間が好みだ。何を考えているのかわからない…そのほうが偶像っぽくていい。

 それは、はたちを迎える少し前あたりから人間味を帯びてからも、今に至るまできっと変わってないんだろうが。

 

それを揺るがせるような思いに捕らわれたんだろうか。根暗な自分はすぐにネガティブにとらえてしまって、彼の心情を妄想しては苦しくなるのだけれど。

その、勝手な妄想を、真実と仮定して話を進めると。

 

今日、また一つ年をとる君に送りたい歌の一節がある。

 

進んでいたはず それなのにどうして 繰り返す風景

だけどよく見て どこか違うよ きっと変わっているよ

成長していく時の軌道 螺旋のよう

舞い上がったあと いびつな輪を描いて

落ち込んでみたり ジグザグ沈むな 翼があるみたい

過去よりも高く翔ぶために 助走つけるために

戻って、そして走り出す

閃光、夜明け、リング

 

ももいろクローバーZ の「灰とダイヤモンド」、彼女たちのファンの中でも名曲と大切にされている曲の歌詞は、胸に響く。

ワルツだ、一進一退だ、堂々巡りだ、そう思うことは多々あるだろう。だけど、過去より、今より、もっと飛躍するために、その助走のための後退であると考えれば、後に待っているのはさらなる高みの景色なのだ。

 

落ち込む暇なんてない、常に己を奮い立たせよ、なんでもない顔をせよ。

21歳の彼に強いるには酷なことかもしれない。だけど、優太くんならできる、そう信じている。

 

お誕生日おめでとう、21歳の彼に幸多からんことを!