かわいいだけじゃいきていけない!

箒でさっと掃かれて消えてなくならないように

Bonheur passe richesse.

年が明け、2015年になってあっと言う間に月日が過ぎてしまっています…。 昨年の現場振り返り記録もまったく出来ていないのですが、とりあえず、記憶の鮮明なうちに新春JWの感想を、記しておかなければ…!!!と、別の現場へ向かう道すがらにこれを書いています。

3年目のジャニーズワールドは、平凡になってしまった。 

極力簡単に言い表すなら、私にはこれ以上適切な表現が思いつかない。
平凡って、マイナス評価と捉えられがちだけど、決して悪いことじゃないです。適度、適当。悪くはない……だけどやっぱり、なんだか物足りない。
と、言うのも、過去二年間は、ジャニーズワールドの我々の理解の範疇を越えた、斜め上をいくトンデモストーリーの中毒性みたいなものに夢中になっていた、と、いうか。

プロデューサーの狂気の中に呑み込まれた若き舞台人たちが、1年は本当に12ヶ月なの?13ヶ月めは本当にないの?と、順を追って辿っていくうちに、いつの間にか宇宙へたどり着き、そこで地球のすばらしさに気づくと同時に、13ヶ月めとはユートピアで、そのユートピアは実在する場所ではなく、各々の心の中にあるという真理に到達する…

JWの大まかなストーリーってこんな感じだと思うんですけど、こうやって冷静に書いてみるとやっぱり「意味わかんないよ~!」ってなるんです。でも、それでいい。意味は分からないけど、JWの時に煌びやかで時に狂気的で時に可笑しい…って、そんな世界観に魅了されていたのだから。

錦織プロデューサーは、とても冷静で、過去二年間に上演されたJWの矛盾や不可解なところをひとつひとつ紐解き、正し、分かり易くしてくれたのだと思う。だから“ここで説明しよう!”って決まり文句を付け足したくなるくらい、解説みたいな台詞ばかりだった……それが、わたしには少しお節介に感じられたのだと、今冷静になって考えてみると、そう思うのです。
観劇した者の余韻を奪う…皆無にしてしまったわけではないけれど、でも、自分の中にやっとつくりあげてきた“ジャニーズワールドとはこうだ”という概念をどことなく崩されてしまったというか、枠にはめられてしまったというか…うまくいえないんだけど、そんな感覚がある。
もちろん、“わかりやすくなった!”“見やすくなった!”と思う人の方が多いのだと思うんです。だからあくまで私一個人の話で。
あと、薮プロデューサーとの比較ではないのですが、当たり前に錦織プロデューサーは存在感が強い。舞台を引き締めているようで、殺陣なんかは、勝利くんや健人くんが霞んでしまったのかな…と思ったり。もっと、もっと、オイシイところは座長がもっていったらいい。まぁ、そうするには座長に技量が追いついていないのかもしれませんが。 


初めて観劇したときに『なんだかJWじゃない別の舞台を観ている気分だった』という、良い意味での裏切られた感じゃなく、なんだか残念な気分になってしまう方の感想を抱いたんですが、その理由のひとつに、フリースタイルバスケやファンカッション、ブレイクダンスが組み込まれたことがあります。
フリースタイルバスケとファンカッション、ブレイクダンスなんかはね、私の中ではどうしてもガムシャラ夏祭りなんです。どれだけ人が変わったって、帝国劇場になったって、去年の夏に六本木で切磋琢磨していた輝きや情熱や感動には適わない。
…と、いいつつ、組み込まれたそれらは夏に比べたら格段にショーになっていた。特にファンカッションなんて圧巻で。観ていてある種の満足感もあったのは確かでした。それに、あの夏に習得したことを、継続して披露できる場は必要だと思う。それもわかってる。だけど、ひねくれ者の私は『あぁ、ガムシャラでやったからね』って思っちゃう。既存に既存をぶつけるのが、あんまりおもしろくない気がしちゃう…のです…ほんとひねくれ者である!

捻くれついでにざくざくいきます(^^)

今回新登場のシャンベについては、素直に『逆さ宙吊りになって太鼓叩く意味とは!?』ってなった。『ジャニーズワールド!』って唱えながら棒や太鼓を叩き鳴らす意味…わたしの知っているジャニーズワールドのストーリーに、これって必要かなぁ…?必要ないよねぇ…??ってなっちゃって腹筋つらかった。『ジャニーズワールド!って言ってください!!!』って必死に呼びかけるジュニアくんと、客席の温度差な…『いや、そんな、急に言われても…』みたいにね、なるよね…。
逆さ吊りになってる萩谷くんと安井くんの顔が真っ赤になっていく様をハラハラしながら見ていた…あれはフライングの無駄遣いかな…と、思わなくもなくて、いや、無駄なことなどひとつもないとわかってはいるんですがしかし……みたいな。ジレンマつらいよ。 

あと、ブラックホールの中のメドレーで、ジャニーズワールドというお伽話の世界から一気に現実に引き戻される感がハンパなかった。あれならいっそShowTimeとして線引きされてたほうが良かった…と、個人的には思うです。
サトウショウリとナカジマケントっていう舞台人のはずが、SexyZoneの佐藤勝利中島健人になってしまって興醒めする…のかなぁ……紅白のパフォーマンスまんまじゃん?っていうのもあったかもしれない…前作もそういうことあったけど、まぁ、順番が逆だったからまだここまでの違和はなかったのかな。
なんならブラックホールについては喜びもなければ不安も悲しみないはずのなのに随分楽しそうですね…?みたいな…私の解釈が間違ってるのかもしれないですが。
錦織オーナーが「喜び組マンセー!」って言うのだいっっっきらいだったです(*⌒▽⌒*) 某国を皮肉るような…平和を謳う舞台でそれはやったらアカンだろう!と、細かいかもしれないけれどすっごく気になった。

出てくるのが否定的な感想ばかりで、もう書かない方がいいかな…と、思わなくもないですが、まだ書きます(笑)

健人くんの台頭…と、いうか、今回の舞台での役割の比重がすごかった。なんか『全部自分がやらなきゃ、この舞台は成立しない』といわんばかりだった。果たしてパートナーの佐藤勝利は必要だったのだろうか…と、いえば、それは、ストーリー的にも必要だったのだろうけど。『全部喰ってやる』っていう気迫がすごかった。
悪いだなんて言わない。彼は努力でそれだけのものを勝ち取ったのだろうから。舞台の上の健人くんは、気障で気高くて傲慢で儚い…なんて多面性のあるひとなんだろう、って思う。
健人くんの表現や口調って私には腹筋つらいことも多いんだけれども、三重人格のケントは素晴らしかったな~…特に疑心暗鬼な弱いケント、大好きです。前作のシェイクスピアでは悪役がとても良いと思ったのに、今作は正反対の性格…。「もう僕は人を愛してはいけないのかな…」そういって泣き崩れる健人くんは、今では稀にしか見られない脆さと儚さで成り立っていて、それが胸に響いたのだろう…。初めてじゃないはずなのに「この人、こういう一面も見せれるんだったね!?」っていう発見が心地よい。
そういった点で対比すると、勝利くんは全体的に印象に薄い…というか。ファンカッションの赤い衣装とても似合ってたなぁ…とか、そういうぼんやりとした感想になってしまいがちで……また否定的で申し訳ないんだけど、リボンフライングは前作の方が絶対良かった!!!勝利くん独りで魅せればよかったのに!視線が分散するのもったいないのに!!!!改悪甚だしいと、たぶん、今作で一番腹立たしい。
あっ、でも、「まだ見ぬ景色」だっけ…あれ良かったです!素直に、勝利くんかっこよかった!
ただ、もっとストレートに一曲まるまるやってほしいな…と、思わないでもない。コンサートだったらどんな構成でどんな照明でやるのかなぁ~って想像すると楽しい…。

ジャニーズJr.については、この扱いェ…、思わないでもなかった。廉くん、紫耀くん、ジェシーくん、神宮寺くん、岩橋くんあたりは、出演者として銘打っておいてあれだけの出演かぁ~…と、私でもなった。ジェシーくんなんかセリフないよね?Misty歌ってたけど…(^^)
だったら彼らより松倉くんとか松田くんとか嶺亜くんとか挙武くんのほうが、見ていて満足感があった…というか。期待感があった分、ね。
Snowmanの、裏方じゃなくて演者としての台頭は喜ばしい。その分、無所の…原くんと目黒くんのフッキングJr.感な…もっともっと踊ってるところが見たかったな~!と、すごく個人的な感想として抱いてしまった。
まぁ、好きな子がみれる舞台は嬉しい、どんな舞台でも……それで満足するのは違うとわかってるものの。これはリアルに葛藤でくるしくなっちゃう…わたしみたいな人種は。担当いなくて良かったかもしれない…軽率にいろんな人を見れたしね。

最後に。
ヒロムおじいちゃんがこの舞台を見て涙ぐんでる…ってレポを良くみたのですが、“争いごとのない世界を僕たちが作っていきます”“人間が壊した分は人間が取り戻す”っていう、若人の決意は、易しいことじゃないとわかっていても展望が感じられて、未来は明るく思えて、涙が出るのはわかる気がする。
これからの世代を担っていく若人たちの未来が明るく輝いていますように…と、祈る気持ちは誰しもが少なからず抱く気持ちだと思うなぁ…。
もし次作があるなら、勝利くん単独主演でマリちゃんと聡ちゃん出演のJWが見たい!!!!ので、おじいちゃんよろしくお願いします…!!!!!と、希望を述べて〆。